知財業界の資格の種類を知りたいな。知財業界の就職・転職にはどの資格が有利なのかな。
このような疑問に答えます。
- 知財資格のオススメ6選
- 知財資格と相性の良い資格2選
この記事を書いた僕は、知財業界歴10年です。
新卒から法律事務所、特許事務所、東証一部上場企業の知財部のキャリアを経験してきました。
今回は、特許事務所と企業知財部の両方のキャリアを持つ僕が、知財業界に役立つ資格をご紹介します!
知財資格のオススメ6選
弁理士(国家資格)
弁理士は、知的財産のスペシャリスト資格です。
特許・意匠・商標などに関する特許庁への各種手続の代理を、独占業務として行えます。
弁理士試験に関する簡単な情報を、以下に記載します。
実施日程 | 【1次試験 短答式筆記試験】 5月中旬~下旬 【2次試験 論文式筆記試験】 必須科目:6月下旬~7月上旬 選択科目:6月下旬~7月上旬 【3次試験 口述試験】 10月中旬~下旬 |
出題形式 | 【短答式筆記試験】マークシート方式(五肢択一) 【論文式筆記試験】論文式 【口述試験】面接方式 |
知的財産の最高峰の資格というだけあり、合格率は毎年10%以下とかなりの高難易度となっています。
社会人として働きながら合格される方も多くいらっしゃいますが、1発合格は難しく複数年計画で合格される場合がほとんどです。
なお、特許事務所と企業知財部での必要性という観点では、「特許事務所>企業知財部」という印象です。
知的財産管理技能検定(国家資格)
知的財産教育協会によれば、知的財産管理技能検定は以下のように定義されています。
知的財産管理技能検定は、技能検定 (働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度)の中の「知的財産管理」という職種に関する国家試験です。
引用元:知的財産教育協会HP
知的財産(知財)を管理(マネジメント)する技能(スキル)の習得レベルを測定・評価するものです。
等級は1級~3級まで設けられており、試験に合格すると「知的財産管理技能士」という称号が与えられます。
知的財産管理技能検定に関する簡単な情報を、以下に記載します。
実施日程 | 3月、7月、11月(年3回) |
出題形式 | 1級 学科試験(筆記試験(マークシート方式 四肢択一)) 実技試験(筆記試験と口頭試問) 2級 学科試験(筆記試験(マークシート方式 四肢択一)) 実技試験(筆記試験(記述方式・マークシート方式併用)) 3級 学科試験(筆記試験(マークシート方式 三肢択一)) 実技試験(筆記試験(記述方式・マークシート方式併用)) |
この資格は、特に企業知財部・法務部への就職や転職に役立ちます。
実際に大手企業の求人に記載されている例も多数あります。
等級の目安としては、2級を持っていれば十分でしょう。
ビジネス著作権検定(民間資格)
ビジネス著作権検定は、その名前からも分かるとおり著作権にフォーカスした資格試験です。
等級はBASIC、初級、上級が設けられており、BASICは団体試験のみ受験可能となっています。
ビジネス著作権検定に関する簡単な情報を、以下に記載します。
実施日程 | 【初級】2月、6月、11月(年3回) 【上級】6月、11月(年2回) |
出題形式 | 【初級】(公開試験)[リモートWebテスト]による多肢選択式問題 【上級】(公開試験)[リモートWebテスト]による多肢選択式問題 |
この資格をもっていれば、著作権業務を多く扱う企業への就職・転職が有利に働く可能性があります。
そのため、著作権の知識を確かめるためには良い資格といえるでしょう。
AIPE認定知的財産アナリスト(民間資格)
知的財産教育協会によれば、知的財産アナリストは以下のような職種と定義づけられています。
知的財産アナリストとは、企業経営・ファイナンス・知的財産に関する専門知識を有し、国内外の他社・自社の各種知的財産関連情報の収集・分析・評価・加工、知的財産あるいは企業の価値評価等を通じて、企業の戦略的経営に資する情報を提供できる特殊スキルを持つ職種のことをいいます。
引用元:知的財産教育協会HP
知的財産アナリストになるには、認定講座を受講後、認定試験に合格する必要があります。
この認定講座は、「特許」と「コンテンツ・ビジネスプロフェッショナル」の2種類から選択できます。
なお、受験資格がやや厳しく、1級・2級知的財産管理技能士、弁理士、弁護士、公認会計士など、高度な資格保持者が受験の対象者となっています。
知的財産翻訳検定(民間資格)
知的財産翻訳検定は、知的財産に関する翻訳能力を測るための検定試験です。
試験内容としては「和文英訳」、「英文和訳」、「中文和訳」、「独文和訳」の4種類が設けられています。
知的財産翻訳検定に関する簡単な情報を、以下に記載します。
実施日程 | 【春試験】和文英訳 【秋試験】英文和訳、中文和訳、独文和訳 |
出題形式 | 「和文英訳・英文和訳」 【1級】記述式(技術選択あり) 【2級】記述式(技術選択なし) 【3級】記述式+選択式(技術選択なし) ※和文英訳・英文和訳の1級合格候補者には面接試験あり 「中文和訳」記述式(技術選択なし) 「独文和訳」記述式(技術選択なし) |
特許翻訳者としてのキャリアを形成したい方には、お勧めの資格です。
TOEIC Listening & Reading Test(民間資格)
TOEIC L&R Testは、英語によるコミュニケーション能力を広く測定するテストです。
試験内容は、リスニングとリーディングの2技能からなります。
知財の仕事は、外国での権利化の場面など英語を使用する場面が多数あり、英語力は必須です。
そのため就職・転職の際には、600点~800点程度のスコアを持っていることが望ましいです。
知財資格と相性の良い資格2選
中小企業診断士(国家資格)
中小企業診断士は、企業の経営戦略のアドバイスを主業務として行う経営コンサルタントの資格です。
中小企業診断士試験に関する簡単な情報を、以下に記載します。
実施日程 | 【1次試験 筆記試験】 8月上旬 【2次試験 筆記試験】 10月下旬 【2次試験 口述試験】 翌年の1月下旬 |
出題形式 | 【1次試験 筆記試験】マークシート方式 【2次試験 筆記試験】記述式 【2次試験 口述試験】面接方式 |
弁理士と中小企業診断士のダブルライセンスで、知財案件だけでなく経営戦略のアドバイスもできる弁理士として活躍される方もいます。
弁護士(国家資格)
弁護士は、裁判官や検察官とならぶ法曹三者のひとつであり、交渉や法的手続の代理ができます。
弁理士の場合、特定侵害訴訟代理業務試験に合格することで知財訴訟を代理できますが、単独での訴訟代理はできません。
そこで司法試験に合格し、弁護士となることで知財訴訟を単独で代理することが可能となります。
なお、司法試験を受験するためには、以下2つのいずれかの受験資格をクリアしなければなりません。
- 法科大学院を修了
- 予備試験に合格
言うまでもなく超難関資格のため、合格にはそれなりの年数を要します。
まとめ
本記事では、オススメの知財資格を6つご紹介しました。
- 弁理士(国家資格)
- 知的財産管理技能検定(国家資格)
- ビジネス著作権検定(民間資格)
- AIPE認定知的財産アナリスト(民間資格)
- 知的財産翻訳検定(民間資格)
- TOEIC Listening & Reading Test(民間資格)
また、本記事では、知財資格と相性の良い資格を2つご紹介しました。
- 中小企業診断士(国家資格)
- 弁護士(国家資格)
資格が全てではありませんが、取っておいて損はないのでチャレンジしてみましょう。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!!
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